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『ですぺら』ブログ−小中千昭×安倍吉俊×中村隆太郎−

第23回
「ですぺら」単行本化決定! 4月28日(木)発行!!(予定)

new -2011.04.09更新


長らくお待たせしました。
小中千昭×安倍吉俊による
大正電脳絵巻「ですぺら」の
単行本発行がついに決定しました!

連載時の安倍吉俊・全イラストに加え、
単行本のための描き下ろしイラストも収録。
さらに小中千昭による小説や
テキストも全面大幅加筆と、
「ですぺら」は新しく生まれ変わります!

単行本は現在、鋭意制作中。
詳細内容に関しては、このページで
続報をお伝えしていく予定ですので
発行までよろしくお願いします。

ですぺら
▲『Roman Album 大正電脳ダダイズム絵巻 ですぺら』


第22回
経過報告など

-2010.09.10更新


久しぶりの更新となってしまい、申しわけありません。

アニメージュ誌上での連載終了から3ヵ月。
「ですぺら」の物語を、どのような形でお見せできるか、
具体的にお伝えするのには、もう少し時間がかかりそうです。

……なのですが、それはそれとして連載終了の打ち上げと
今後の展開の打合せを兼ねて、花やしき来訪&牛鍋屋に
行ってきましたので、その写真だけでもUPしてみます。

牛鍋屋は浅草の明治創業の老舗「米久」。
鍋をつつきながら、「ですぺら」の新たな仕掛けなど、
話し合ってきました。

そろそろ、ご報告できると思いますので
もうしばし、お付き合いくださいませ。


【写真】
▲「米久」の牛鍋。とても美味かったです

【写真】
▲浅草といえば、「花やしき」。
週末に男5人で楽しんできました……

< 続く >       



第21回(連載 現代文パート 第拾五話)
文◎小中千昭

-2010.07.09更新


――承前――

 更に池袋モンパルナスについて。
 初期のウルトラシリーズで、怪獣を造形していた高山良策氏が、アトリエ村の画家だった事は述べた。
 アトリエ村が存在した時代──、戦前という時代柄もあるが、当時の貧しい芸術家達の多くは、左翼だった。
 思想と芸術を結びつける運動も盛んに行われ、そしてそういった運動は当局から当然敵視され弾圧もされた。

 そういった渦中で、高山氏は東宝が軍から受注した、パイロット訓練用映画のミニチュアを製作する仕事を請けていたのだそうだ。
 そこから映像業界と繋がりが出来、円谷英二氏が円谷プロを興し、テレビシリーズ『ウルトラQ』を製作し始めた時、多くの怪獣を発注される様になったのだった。

 あくまで本来は画家である高山氏が、ウレタンやラテックスゴムといった、永くその形を保てない、撮影で痛めつけられ、基本的には映像にだけ残る怪獣の着ぐるみを創っていた──というのも、何となくそういう事なのかと理解出来る気がする。映像という幻影の中にだけ、高山怪獣は今も尚、活き活きと生きており子どもに親しまれ続けているというのも、感慨深い。

 さて、アトリエ村を俯瞰すると、開戦となって時局が軍国一色に染まっていくのにつれて徐々に崩壊していく。
 絵の具や粘土などの物資も手に入り難くなっただろう。
 池袋以外の、画家達の中には将校待遇で大陸や南方に従軍し、国威高揚目的の作品を描く作家も現れる。
 かの藤田嗣治(池袋ではなく本当のモンパルナス派だった)もそうした一人であり、彼らのそういった絵は終戦後、GHQによって没収され、長らく米本土の倉庫に眠っていたが、戦後暫く経って返還され、国立美術館に仕舞われている。

 幾度か展示会が開かれたが、それらの絵を描いた画家達の心はそれぞれに苦渋があり、公開を拒否する画家、公開する事を望む画家がいた(戦争画家については、NHK―BSのドキュメンタリー番組が放送された)。
 軍服を着ていた従軍画家を、池袋派は蔑んでいた様だが、どちら側にとっても、芸術家にとって戦争は癒えない傷を負わせるものだったのだろう。
 藤田が戦時末期に描いたのは、サイパン島玉砕の様であり、当然その絵は軍にとって国民に見せたい種類の絵ではなかったのだ。

 終戦近く、東京は米軍によって焼け野原にされる。アトリエ村も、これによってほぼ消滅させられたのだった。
 東京大空襲を指揮したのが、カーティス・ルメイという軍人であり、空襲の対効果を計算していたのは、ケネディ政権下で国務長官となったロバート・マクナマラであった。

 焼夷弾という、極めて安価ながらも、低空から落下させないと効力の無い兵器を用いる為、本来高空爆撃機として、初の与圧機構を備えた爆撃機B-29に、無理矢理低空侵入させ爆撃させたのだった。
 スタンリー・キューブリック監督『博士の異常な愛情』で、ジョージ・C・スコットが演じたファナティックな戦略空軍の将軍は、カーティス・ルメイをモデルにしており、あの怪演には実は誇張が無かったと言われる。
 ルメイは冷戦時代、幾度もソ連に全面核戦争をけしかけようとしたし、キューバ危機でもケネディに強硬論を主張し、一時は実際そうなる可能性すらもあった。

 そのルメイに戦後、戦時の記憶を喪失したかの様に、日本政府は何と勲章を与えたのだった。
 
 池袋モンパルナス、旧長崎町アトリエ村というものがかつて存在した。
 それを語る人も多くが物故し、殆どの人は忘れてしまうのかもしれない。
 しかし、『ですぺら』という物語で紹介する事で、少しの人にでも、その存在を記憶に留めて貰いたいと、私は思ったのだった。

【写真】
▲戦後間もない頃の池袋駅前(東口)をイメージした模型

< 続く >       



第20回(連載 現代文パート 第拾四話)
文◎小中千昭

-2010.07.03更新


――承前――

 池袋モンパルナスについての続きである。

『ですぺら』の主な時代設定は、関東大震災が起こるまでの大正末時代だが、震災、その直後で終わるつもりは無かった。それは安寧に過ぎると思えたからだ。
 震災からややして、東京人は逞しく復興していくのだが、その様子などは荒俣宏氏の『帝都物語』にも詳しい。
『ですぺら』の物語、そして主人公である“男”が辿り着くのに相応しい場、として池袋モンパルナスが浮かんだのであった。

 本誌連載の最終回を執筆する前、やはり現地を歩いてみたいと思った。既に往時を偲ぶ物は何も残っていない事は先に知っていたけれど、それでも歩いてみたいと思った。一人では何なので、無理矢理だが安倍君、本誌でデザインをしてくれていた根津さんと、佐藤担当編集員、企画プロデューサーS木氏を誘った。
 池袋駅西口で待ち合わせをして、最初に向かったのは豊島区の郷土資料館。ここには池袋モンパルナスの様子を再現したミニチュア模型が常設展示されている。非常に良く出来ていて、一見の価値はあった。

 それから西武池袋線椎名町駅へ向かった。
 ここで私にはもう一つの目的があった。椎名町──。私にとってそこは旧帝国銀行椎名町支店があった場所として強く記憶された土地である。
 終戦後間もなく発生した、かの帝銀事件、集団毒殺事件が発生した場所を、一度は見ておきたかった。
 アトリエ村跡地を巡る道程の、起点に近い場所だったので、先ずは全員そこへ誘導したが、みんな「ここが何なの?」という顔をしている。S木氏は憮然と文句を言う。
「帝銀? それ『ですぺら』と関係ないじゃないすか!」
 いやまあおっしゃる通りではあるのだが、私の中では繋がっているのである。

 帝国銀行は後に日本勧業銀行となり、合併を繰り返してその名は失われた。
 当時の椎名町支店は、普通の民家を改装しただけの建物で、熊井啓監督の映画『帝銀事件・死刑囚』でその忠実な再現セットを見られる。
 現在その場所は往時を思わせるものは何も無い普通の露地となっていたが、駅のすぐ裏手という土地柄、人の出入りは少なくなかっただろう事は確認出来たのだった。

 帝銀事件は、平沢貞通というテンペラ画家が犯人として逮捕され、死刑判決が出たまま獄中で亡くなってしまった。平沢が真犯人ではない事について疑いを持つ人は少ない。毒殺に用いられた毒物については、有力な説は幾つかあるものの、今日ですら解明されていない。
 松本清張らは当時の状況からして、GHQの関与を強く疑っていたが、旧731部隊関係者の関与も有力な説である。 そういった事柄を思い出しながら、我々はその場を後にして、旧アトリエ村跡を辿って歩きだしたのだった。

【写真】

< 続く >       
 《 次回更新は7月9日(金)を予定しています 》       



第19回(連載 現代文パート 第拾三話)
文◎小中千昭

new -2010.06.25更新


 という事で、これまではアニメージュ本誌で連載してきた『ですぺら』の戯れ言コンテンツは、この公式サイトの方に引っ越しである。

 アニメ・シリーズの最終話では、よくオープニングを飛ばしていきなり本編に入ったり、エンディングが本編の延長の映像に流れたりする。これは、内容が30分(実質21分)のレギュラー枠の中に収まりきれない故の措置である事が多いのだが、「いつもと違う」というモードに、視聴者を誘導出来るメリットも大きい。やはり最終話は、通常の回以上に、見る人に強い印象を残して終わりたいものなのである。

 連載『ですぺら』は、殊更にアニメ・シリーズの形式をなぞっていたつもりは無かったが、実質全13回という区切りで終わる事もあり、最後の三ヶ月は連続性を意識して執筆せざるを得なかった。

 最終回が、通常と見開きの構成を入れ替えたのも、あいんが何処へ行ったのか、最後に読者に提示したかったからである。

 こうする事でしかし、これまでの様に本文の注釈という側面の戯れ言パートが本誌では書くことが出来なかった。しかし時代は「つづきはウエブで」である。


【写真】
【写真】
▲当時のアトリエ村、長屋裏を再現したミニチュア


 最終回の舞台は、池袋駅西口の、立教大学界隈、そしてそこから徒歩20分程離れた椎名町の辺りである。

 東京の空襲で壊滅状態になるまで、この界隈は“アトリエ村”と呼ばれ、若くて貧しい芸術家が数多く集まっていた場所であったのは、本文にある通り。
 集まっていたのは絵描きや彫刻家ばかりでなく、俳優や詩人などもいて、小熊秀雄という詩人が当時のこの界隈をして“池袋モンパルナス”と呼んだのだった。

 旧長崎町アトリエ村=池袋モンパルナス、ではない。アトリエ村は、本場のパリ・モンマルトル近くに集団生活していたコロニ、或いはシテと呼ばれた地域があったのと同様、本質的には立教大近くの音楽喫茶や安酒場、ビリアード場などの、くだを巻く場がそうであったのだろう。
 そうした場があった、というのは、関東大震災以降の復興について調べていた時に知った。

 ちょうどその直後に、『怪獣のあけぼの』というドキュメンタリーの番組がDVDで発売された。
 故・実相寺昭雄監督が監修となって、初期のウルトラ怪獣を造形した高山良策氏を中心に、如何に怪獣が産み出されてきたかを綴った作品だ。

 アニメージュ読者には注釈が必要だろうが、私は「手塚生まれの円谷育ち」という出自で、『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』という初期ウルトラシリーズに強い影響を受けて今に至っている。

 初期のウルトラ怪獣は、彫刻家である成田亨氏がデザインを描き、本来は画家である高山良策氏がデザインを基に、独自の美意識で造形していた。
 高山良策氏は、池袋モンパルナスの芸術家の代表的な一人だったのである。
 また、著名な俳優であり、実相寺作品の常連でもあった寺田農氏の父君、寺田政明もまた池袋モンパルナスの画家では恐らく最も有名な画家であった。
『怪獣のあけぼの』の終盤では、実相寺監督と寺田農氏が池袋モンパルナスについて語り合っていたのだった。

 それを見て以来、私の中で池袋モンパルナスは、いわく言い難い因縁を感じる存在となったのだった。

< 続く >       
 《 次回更新は7月3日(土)を予定しています 》       


 ※参考文献: 
  『池袋モンパルナス』 宇佐美承著 集英社 
  『池袋モンパルナスに関する二・三の考察』青木哲夫
  豊島区郷土資料館研究紀要第19号『生活と文化』所載


第19回 <番外編>
『灰羽連盟』Blu-ray BOX発売!

new -2010.06.25更新


『ですぺら』イラストを担当した安倍吉俊さんが
原案、脚本・シリーズ構成を務めたTVアニメシリーズ
『灰羽連盟』(02年)のBlu-ray BOXが7月22日発売決定!

切なく優しい不思議な灰羽達のグラフティが
最新アップコンバートシステムを使用し、初Blu-ray化。
『ですぺら』連載中に安倍さんが頑張って描いた
描き下ろし豪華装丁、3方背ボックス仕様のほか、
設定画資料集、特典映像なども充実の特典もついた
見応えたっぷりのBOXとなっています。

『灰羽連盟』Blu-ray BOX
(C)安倍吉俊・光輪密造工房
▲『灰羽連盟』Blu-ray BOX
 <期間限定生産>
■灰羽連盟 Blu-ray BOX <期間限定生産>

・本篇3枚組/315分(日本語/英語)ほか、特典映像ディスク74分
・安倍吉俊描き下ろし豪華装丁、3方背ボックス仕様、
 解説書24Pカラー、
 CD【サウンドトラック「ハネノネ」、アウト オブ トラックス「プチノネ」】
  【サントラ、アウトトラックス】
・特典映像ディスクにはノンクレジットOP・ED、PV・CM、予告集、
 ABworks対談(安倍吉俊 VS uedayasuyuki)ほかを収録

販売元:ジェネオン・ユニバーサル・エンターテインメント

[23,100円/GNXA-1003/2010年7月22日(木)発売]



第18回(連載第拾二話)
「邂逅」

-2010.06.10更新


『ですぺら』−小中千昭×安倍吉俊×中村隆太郎−


華やかな欧風文化が浸透し
民権運動、女性の社会進出が始まり
破滅へとひた走る足音も響き始める
そんな大正時代、混沌の「浅草十二階」を舞台に、
未来を覗く男と少女を描いた
ちょいと不思議なお話――それが「ですぺら」


時は移ろい昭和前半、芸術家たちが集まる池袋。
思わぬ形で再会を果たした“男”とあいん――。

こんな形でアニメージュ誌上での「ですぺら」の物語は
一旦閉幕を迎えることになりました。
全13回・丸一年の間、応援ありがとうございました。

ただアニメージュ誌上での連載は終わっても、
「ですぺら」の物語はまだ終わりません。
崩壊した十二階から現れた巨大機械や“未来を読み取る装置”。
そして、“男”とあいんの2人とは一体何者だったのか?
――と、気になる謎も残されていることですし。

今後どんな媒体、どんな形でこの物語が語られるのかは
まだ判然としませんが、何かしら情報が用意できたら
連載終了後も続く、このサイトでお伝えする予定です。

また、“連載終了記念”(?)ということで
次回更新から小中千昭さんによる特別テキストをUP予定です!
連載を重ねるごとに、文字数が増えていった
小中さんのテキストですが(はみ出したこともありました)、
ついにサイト出張連載と相成りました。
次回更新は6月25日(金)予定。
今後もよろしくお願いします。


第17回
ロケハン日記第4弾 ぶらり池袋・千川編

-2010.05.26更新



いよいよ最終回を直前に控えた「ですぺら」ですが、
その最終回に向け、久しぶりにスタッフ総出で
ロケハンに行ってきましたのでご報告します。

……ロケハンというより、天気も良かったし
池袋を皮切りに千川駅まで、
ぶらぶらと散歩を楽しんできただけでしたが。

何を見に、調べに行ったのかは
アニメージュ7月号まで楽しみにしていただきたいのですが、
ちょっとした公園や彫刻もあったりして
実にいい散歩コースでした。

【写真01】
【写真01】
▲池袋の郷土資料館にも行ってきました。
 これは当時の、とある街並を再現したミニチュア
【写真02】
【写真02】
▲東京都豊島区南長崎周辺の公園。
 こんな感じの小さな公園が点在していて、
 散歩中の良い休憩場所でした
【写真03】
【写真03】
▲その小さな公園には、往時を偲んでか、
 いい感じの彫刻などが設置されていたりしました


◆「豊島区立 郷土資料館」
[開館時間:9:00〜16:30/休館日:毎週月曜日、第3日曜日]
[各線池袋駅西口より徒歩10分、メトロポリタン口より徒歩8分]
◆HP= http://www.city.toshima.lg.jp/bunka/shiryokan/


第16回(連載第拾一話)
「續かぬ悪夢」

-2010.05.10更新


『ですぺら』−小中千昭×安倍吉俊×中村隆太郎−


華やかな欧風文化が浸透し
民権運動、女性の社会進出が始まり
破滅へとひた走る足音も響き始める
そんな大正時代、混沌の「浅草十二階」を舞台に、
未来を覗く男と少女を描いた
ちょいと不思議なお話――それが「ですぺら」

大震災を上回る衝撃、
「あいん」なる少女は存在していなかった??
という展開を迎えた「ですぺら」の物語。

彼女が精巧にできた人形だとしたら、
これまで物語に散見されていた謎や齟齬も
一見、綺麗にまとまりますが……。

崩壊した「稜雲閣」から姿を現した
機械仕掛けの巨人の正体、
そして「男」の行方は……?
と気になる謎も残されたまま
丸一年間続いてきた2人の数奇な物語も
次号でついに最終回を迎えます。
どうぞご期待ください。


第15回
「ですぺら」推奨・読み物

-2010.05.01更新



「ですぺら」もいよいよクライマックス間近!
……というタイミングで今更言うのも何ですが、
「大正」という時代、「浅草」という舞台。
毎回、資料集めが結構大変だったりします。

今回は連載中、読んだり使ったり、
印象的だった参考文献をざっくりとご紹介。

「旧字旧かな入門 シリーズ日本人の手習い」
『旧字旧かな入門 シリーズ日本人の手習い』
 (著:府川充男 小池和夫/柏書房)
連載直前に購入しました。当時の雰囲気を醸し出すため、毎回頑張って旧字旧かなを使っています。書く小中さんも大変ですが、チェックする方も大変です。

『断髪のモダンガール―42人の大正快女伝』
『断髪のモダンガール―42人の大正快女伝』
 (著:森まゆみ/文藝春秋)
連載第七回掲載時に、参考文献として挙げられていた一冊。今日の目で観ても魅力的な女性が多いです。資料としても読み物としてもオススメできます。

『孤島の鬼』
『孤島の鬼』
 (著:江戸川乱歩/創元推理文庫)
以前にもこのサイト内で挙げた江戸川乱歩の傑作。複数の出版社から文庫や全集などで出版されていますが、当時の表現をそのまま使用、さらに連載時の挿絵やトビラ絵、見出しなども収録されているのはこの“創元推理文庫”シリーズのみ。イラストもタイトル文字も味があって、いい感じです。


第14回(連載第拾話)
「離別」

-2010.04.10更新


『ですぺら』−小中千昭×安倍吉俊×中村隆太郎−


華やかな欧風文化が浸透し
民権運動、女性の社会進出が始まり
破滅へとひた走る足音も響き始める
そんな大正時代、混沌の「浅草十二階」を舞台に、
未来を覗く男と少女を描いた
ちょいと不思議なお話――それが「ですぺら」

ついに訪れた破滅の時―
大正十二年九月一日午前十一時五十八分。
大正の東京を、いや日本中に衝撃を与えた瞬間が
ついに「男」とあいんの2人にも訪れました。

どれほどの破壊が東京を襲ったのか、
2人は再会することができるのか。
そして十二階下から現れた
機械仕掛けの巨人の正体とは―!?

連載も遂に残り2回となった「ですぺら」。
2人が迎える結末にご注目ください。


第13回
ロケハン日記第3弾 ぶらり浅草・飲み食い編

-2010.03.10更新



「ですぺら」の舞台になっている浅草界隈で、
大正時代から続いているお店で飲み食いする……。
安易な企画ですが、まだやっていなかったのでやってみました。
ネタ切れではありません。

【写真01】
【写真01】
▲今さら説明するまでもないぐらい、有名な雷門。
浅草寺にお参りにも行ってきました。
【写真02】
【写真02】
▲「釜めし 春 浅草本店」
[開店時間 11:00-21:30/年中無休]
(台東区浅草1-14-9/地下鉄銀座線浅草駅、東武伊勢崎線浅草駅より徒歩5分)
【写真03】
【写真03】
▲「神谷バー」
[開店時間 11:30-22:00/年中無休]
(地下鉄銀座線、都営地下鉄浅草線、東武伊勢崎線、各浅草駅より徒歩2分)
◆HP= http://www.kamiya-bar.com/


「釜めし 春 浅草本店」【写真02】
創業大正15年、釜めし一筋80余年というお店です。
浅草はなぜか老舗の釜めし屋が多いんですよね。
ただし、「建物自体は新しいんですよ。う〜ん、
(改築したのは)いつだったかなぁ……」とのことで
歴史を感じさせるような展示物とか建物はなかったです。
あ、釜めしはおいしかったです。

「神谷バー」【写真03】
浅草駅を出てすぐ、雷門前にある有名店。
なんと創業は明治十三年(1880年)!
現在使用されている神谷ビルも、
落成が大正十年(1921年)と
大震災、そして空襲を生き抜いてきた老舗です。

建物も風情がありますし、店内には
明治・大正・昭和の神谷ビルの写真も展示されていたり。
お店全体にレトロな雰囲気が漂っていて、実にいい感じ。

ぶらぶら歩いていると、あちこちで老舗に当たる浅草。
また大正時代の残り香を探しに行ってみようと思います。


第12回(連載第九話)
「空」

-2010.03.10更新


『ですぺら』−小中千昭×安倍吉俊×中村隆太郎−


華やかな欧風文化が浸透し
民権運動、女性の社会進出が始まり
破滅へとひた走る足音も響き始める
そんな大正時代、混沌の「浅草十二階」を舞台に、
未来を覗く男と少女を描いた
ちょいと不思議なお話――それが「ですぺら」

ライト兄弟が1903年に、世界初の飛行機の
開発に成功してから、わずか数十年。
大正時代の日本にも、既に飛行機はありました。

軍用はもちろん、航空写真なんかも盛んに撮っていて
今では貴重な資料となっていたりもします。

女性飛行士は、と言うと、
やはり日本では数が少なかったようです。
ただし、海外に目を向けると
第二次世界大戦のソビエトでは女性飛行士だけの
「魔女飛行隊」という部隊も実在したぐらいに
女性飛行が盛んだったりもします。
魔女飛行隊……ロマン溢れる単語ですねぇ。

いよいよ「ですぺら」連載も残り三話となりました。
今後もお楽しみに。


第11回(連載第八話)
「魔王」

-2010.02.10更新


『ですぺら』−小中千昭×安倍吉俊×中村隆太郎−

華やかな欧風文化が浸透し?
民権運動、女性の社会進出が始まり?
破滅へとひた走る足音も響き始める?
そんな大正時代、混沌の「浅草十二階」を舞台に、?
未来を覗く男と少女を描いた?
ちょいと不思議なお話――それが「ですぺら」

どうですか、お客さん!
うちのあいんの可愛らしさときたら!!

えー、今回の舞台は見世物小屋でした。
胡散臭くも、幻想的で妖しい魅力……
江戸時代から始まり、現代でも縁日などで
その姿を目にする見世物小屋ですが、
大正時代の「エログロ」文化とは
イメージの共通項も多いのではないでしょうか。

大正を強く思い起こさせる作家の一人に、
江戸川乱歩がいますが、彼も見世物小屋を
舞台とした小説を書いています。
特に“乱歩最高傑作の一つ”と言われている
「孤島の鬼」は見世物小屋の妖しさに加えて
謎解きの楽しさ、スリル、同性愛……と
様々な楽しみが詰まった一作です。

北一輝なんて剣呑な人物も登場、
あいんと男の身の回りもきな臭くなってきました。
次回もよろしくお願いします。


第10回
ロケハン日記第2弾 江戸東京たてもの園

-2010.01.25更新


今回は『ですぺら』の舞台、大正時代の雰囲気を味わうべく
江戸時代から昭和までの東京の建築物を移築・復元し、
展示している「江戸東京たてもの園」に行ってきました。

個人的にオススメなのは、
大正・昭和初期に活躍し、二・二六事件で倒れた
政治家・高橋是清邸でしょうか。
是清が撃たれた部屋も精緻に復元されており、
歴史好きな人ならグッとくるものがあります。

他にも異世界へ飛ばされそうな雰囲気のある
商店から居酒屋、農家、茶室まで
施設はバラエティに富んでいます。
約7haと園内の敷地が広いので
ぶらぶら散歩するだけでも楽しめます。

江戸・明治・大正・昭和を、写真や映像で見るのではなく
自分の足で歩き、触って肌で感じることができます。
「ですぺら」を通じて大正時代に興味を持たれた人は
一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

◆「江戸東京たてもの園」HP= http://tatemonoen.jp/
[開演時間・4-9月:9:30-17:30/10-3月:9:30-16:30/休園日・毎週月曜日]
[JR中央線武蔵小金井駅からバス5分(小金井公園西口or江戸東京たてもの園下車)
  西武新宿線花小金井駅からバス5分(小金井公園西口下車)]

高橋是清邸
▲二・二六事件の現場ともなった高橋是清邸
昭和4年建立の銭湯
▲異次元に引き込まれそうな雰囲気満点の銭湯
 昭和4年建立、タイル絵なども豪華です


第9回(連載第七話)
「十二階天塔の黒猫」

-2010.01.09更新


『ですぺら』−小中千昭×安倍吉俊×中村隆太郎−

華やかな欧風文化が浸透し
民権運動、女性の社会進出が始まり
破滅へとひた走る足音も響き始める
そんな大正時代、混沌の「浅草十二階」を舞台に、
未来を覗く男と少女を描いた
ちょいと不思議なお話――それが「ですぺら」

女性の社会進出も活発になった大正時代。
「ですぺら」にも男装の美人記者が登場です!
婦人誌の創刊や、新聞の婦人欄の登場もあって
当時、結構存在していたみたいですね。

その記者と「男」との会話によって
男が恐れているのは
大正の終わりに起きる
「地震」そのものだけではなく、
「その後」も含まれていた……
ということが判明した第七回。

地震後、男とあいんを待つ運命とは?
折り返し地点を過ぎて、連載もそろそろ佳境です。
次回もお楽しみに。


第8回
INTERVIEW 根津典彦(Gスクエア)

-2009.12.29更新


『ですぺら』−小中千昭×安倍吉俊×中村隆太郎−

今回はスタッフインタビュー第2弾。
デザイン担当の根津さんにお話を聞いてみました。

Q  「ですぺら」での仕事の内容を教えて下さい。
A  最初は自分がどんな役割を果たせばいいのか、分からなくて悩んでいた時期もあったんですけど、戦艦ポチョムキンをポンと置いたのと、いろいろあって日章旗を置いた回。あれでOKとなったときに、ここまでやっていいんだと分かった気がしますね(笑)。
結構投げっぱなしというか(笑)、好きなようにやらせてもらっています。特に2見開き目は、こういうテキストとイラストがきたから、小ネタをこう仕込む、みたいなキャッチボール感が楽しいですね。

Q  デザイン上で、苦労されていることはありますか?
A  1見開き目と2見開き目とでどれぐらい関連性をつけるか? という点が難しいですよね。あとは大正時代の資料、写真は簡単に手に入るものでもないですし、入手できたところで、それが誌面上で上手くはまるかどうか? というのはまた別ですから。その兼ね合いも難しいところです。

Q  ただ2見開き目に関しては、担当編集の自分も小中さんも、「根津さん任せた!」という感じが次第に強くなってきていますよね(笑)。
A  勝手にキャッチとかもどんどん入れていますからね(笑)。小中さんのテキストと安倍さんのイラストがどんな形でくるのかわからないので、毎月ドキドキしていますけど、楽しみでもあります(笑)。自分は歴史に詳しいわけではないので、毎月原稿を読んでいて「こういう事実があったんだ」と面白く読めている部分もありますし。

Q  その大正という時代にはどんな印象をお持ちですか?
A  う〜ん……。大正時代って短い年数で、明治や昭和のような目立ったアイコンもないけれど、文化とか身の回りにあるものからしても、やはり今の我々と繋がっている、意外と身近な時代なんだなと。あと、明治時代の頑張っている感じでもないし、昭和初期の戦争へひた走る感じでもない。どっちでもない感じ……色々なものが混然としているところが、面白いですね。

Q  改めて「ですぺら」で面白いと感じられている点は?
A  個人的には、小中さんの出される宿題、ややマニアックなネタに、誌面のデザインでどう頑張って応えていくかという部分ですかね(笑)。あと「lain」からイメージするような、SF的な要素が「ですぺら」では冒頭以降あまり出てきていないので、今後物語がどこに向かうのか楽しみだし、そこが見どころだと思います。


第7回(連載第六話)
「三角二階の片隅にて」

-2009.12.10更新


『ですぺら』−小中千昭×安倍吉俊×中村隆太郎−

華やかな欧風文化が浸透し_
民権運動、女性の社会進出が始まり_
破滅へとひた走る足音も響き始める_
そんな大正時代、混沌の「浅草十二階」を舞台に、
未来を覗く男と少女を描いた_
ちょいと不思議なお話――それが「ですぺら」

先月号に引き続き未来を知っている、
知ってしまえる「男」が、悲劇を回避しようと
食い下がるけれど……という連載第6回。

今回登場したのは大杉栄と南天堂。
大杉栄は、その著書の一部がこちらから
確認することができます。
「青空文庫」作家別作品リスト:大杉栄 ページ↓
http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person169.html

南天堂はアニメージュ1月号のP130にもあるように
現在でも同名の書店が建っているようです。

震災や空襲などで、跡形もない建物もあれば
面影を窺い知ることができる建物もある。
近くて遠い、遠いようで意外と近い大正時代。

次回はどんな人物と舞台が登場するのか?
特別企画ともどもご期待ください。


第6回
「ですぺら」スタッフ陣 ロケハン日記

-2009.11.25更新


物語の舞台であり、連載第1回目にも登場した稜雲閣。
大正時代の浅草を代表する高層建築であり、
映画や小説で度々取り上げられてきた有名な建物ですが
関東大震災で一部が崩落、その後取り壊し工事が行われ、
今や跡形もありません。

その再現模型が「江戸東京博物館」にあると聞き
スタッフ総出で取材に行ってきました。
……連休のど真ん中、家族連れやカップルで賑わう
博物館へ男5人で行ってきました……。

が、迫力ある稜雲閣の模型や、他にも大正時代の
東京をうかがい知ることができる資料や展示物に、
テンションも上昇。大はしゃぎで写真を撮ってきました。

さらにその後、浅草へ移動。
稜雲閣跡地を見物後、大正時代に思いを馳せながら
大いに餃子を食べビールを飲んできたのでした。

ただ飲んだだけではなく、稜雲閣の模型や跡地の
印象も鮮明なうちに、安倍吉俊×小中千昭×
デザイン担当根津典彦(ジースクエア)の3人による
「ですぺら」連載折り返し記念座談会も収録。

対談は2010年1月9日発売のアニメージュ2月号の
特別企画(←申しわけありません、一ヵ月延期となりました)にて
掲載予定です。果たして取材の成果はどう出るのか!? 
対談ともども、今後の展開も楽しみにお待ちください。


◆東京江戸博物館= http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/
[開館時間・9:30〜17:00/休館日・毎週月曜日]
[JR総武線両国駅より徒歩3分 都営大江戸線両国駅より徒歩1分]

浅草十二階こと「稜雲閣」の再現模型
▲浅草十二階こと「稜雲閣」の再現模型は
 1/10スケール、全高6メートル。デカいです
かつて「稜雲閣」があった場所
▲かつて「稜雲閣」があった場所は
 現在はパチンコ屋になっていました。
 東京タワーと東京スカイツリーとあわせて
 東京3大タワーと呼ばれているらしいです


第5回
「銀幕の彼方より」

-2009.11.10更新


『ですぺら』−小中千昭×安倍吉俊×中村隆太郎−

華やかな欧風文化が浸透し
民権運動、女性の社会進出が始まり
破滅へとひた走る足音も響き始める
そんな大正時代、混沌の「浅草十二階」を舞台に、
未来を覗く男と少女を描いた
ちょいと不思議なお話――それが「ですぺら」

あいん、遂に銀幕デビュー!

というわけで、
ページからはみ出す勢いで(実際にはみ出す人も珍しい)
熱く小中千昭さんも語ってくれたが、
現在もその名を残す映画会社が次々と設立され、
数々の名作と表現者が生まれつつあった大正時代。
「映画」は大正から昭和の娯楽の王様となっていく。

気になる“其の日”なるキーワードも登場。
大正時代で、浅草十二階とくれば……。
2人は“其の日”をどう迎えるのか?
そして未来を覗き、変えることもできるのか?
……などと重いテーマも見えてきたような気がする第5回。
折り返しとなる次号は特別企画付きでお送りする予定。お楽しみに。


第4回
INTERVIEW 安倍吉俊

-2009.10.25更新


『ですぺら』−小中千昭×安倍吉俊×中村隆太郎−

今回の更新では「ですぺら」イラスト担当の
安倍吉俊さんにインタビューしてみました。

ずらずらっと並べられているのは
連載開始前に描かれた設定画の数々。
見たことがあるキャラもそうでないキャラも
そして「あいん」の姿も見受けられますが、
「ですぺら」の世界はどのように創られていったのでしょうか。

Q 「ですぺら」で苦労している点と楽しい(手応えを感じている)ポイントを教えて下さい。
A 苦労している点は、まず自分に課している事ですが、すでに手の内にあるものだけでは描けないようなものを描く、という事を目標にしているので、どこか自分の限界を引き上げるような所まで描ききる事が大変です。楽しい点は、世界をひとつつくっている、と感じられる点です。

Q 大正時代という設定ですが、時代考証などはやっぱり大変ですか? また資料に当たっている際に発見などはありましたか?
A 時代考証に関しては、僕自身の歴史の知識はほとんどあてにならないので、ひたすら資料と睨めっこの状態です。幸か不幸か正確な資料があまりなく、例えば 浅草十二階のような有名な建物さえ、内部の様子が分かる写真資料がほとんど見つからなかったり、写真も モノクロで細部が分からなかったりするので、資料を 頼りにしつつ、ある程度想像を挟み込む余地がある事は僕にとってはありがたいです。
 あまり正確な資料があって、そこから外れる事ができないような題材のものだと、資料の引き写しになってオリジナリティを入れる余地がなかったりするので。
 発見は、僕が考えていたよりも大正時代というのは昔ではない、というか、現在と繋がっているのだと分かった事です。古ぼけたモノクロの写真でみる大正時代はいかにも昔という感じなのですが、それは写真自体が古いのであって(印画紙の経年劣化という意味でも、写真技術自体が古いという意味でも)そういう古い写真と延々睨めっこをしていると、だんだん古さを補正して、当時の風景がそのまま見えるような気がしてくるのですが、そうして見える大正時代というのは、建築やデザインや生活など、古いは古いのですが、「何故そうだったのか」が察せられる程度の古さで、手が届く感じがしたり、逆に新しかったりして面白いです。
 建築に関して言えば、当時の洋風建築の方が今造られているものより洗練されている気がします。

Q すでに物語に登場したキャラも、これから登場するキャラも、日の目を観ないかもしれないキャラもいるかと思いますが、お気に入りキャラなどはいますか?
A まだデザインの段階なので、動かしてみないと分からないですが、女性記者、黒いコートの男あたりが面白そうです。

Q あいんを最初に描く際に苦労された点、そして「れいん」との違い・関連性について教えて下さい。
A あいんについては、最初は、大正時代に偏在している玲音、というようなイメージを入り口にして、そうなんだけどそうではない、キャラクターとして固めてゆきました。
 もう僕の中にはあるていど『あいん』像ができているので、イメージが固まっていなかった頃どう考えていたかを思い出すのは難しいですが、最初に話を聞いた時には、『黒猫』と『座敷童』のようなイメージが漠然と浮かんでいたように思います。黒猫のイメージはリボンとして残っていますね。


第3回
「電気娘対戦車隊」

-2009.10.10更新


『ですぺら』−小中千昭×安倍吉俊×中村隆太郎−

華やかな欧風文化が浸透し
民権運動、女性の社会進出が始まり
破滅へとひた走る足音も響き始める
そんな大正時代、混沌の「浅草十二階」を舞台に、
未来を覗く男と少女を描いた
ちょいと不思議なお話――それが「ですぺら」

 あいん、戦車相手に大暴れ、の巻。

「戦車」はご存じのように、第一次大戦で使用され、
日本でも、この頃には何台か入手して研究が進められていたみたい。

電気を操り、機械にめちゃ強い。
あいんは対戦車戦にめっぽう相性が良かった――というだけではなく彼女を「視る」ことが
出来る人間と出来ない人間がいた、というのがこの第四話のミソであったように思うが、
はてこれは何を意味するのかは、次回以降をお楽しみに。


第2回
「浅草異譚」

-2009.09.11更新


『ですぺら』−小中千昭×安倍吉俊×中村隆太郎−

華やかな欧風文化が浸透し

民権運動、女性の社会進出が始まり
破滅へとひた走る足音も響き始める

そんな大正時代、混沌の「浅草十二階」を舞台に、
未来を覗く男と少女を描いた
ちょいと不思議なお話――それが「ですぺら」


主人公――相も変わらず首から上が描かれない――があいんを置いて浅草・瓢箪池で一人散歩していると、見覚えのある人物と出会う。その“神経質そうな男”こそ大正?昭和の文豪・芥川龍之介だった……。

芥川はアゴに手を当てたポーズでも有名な、今更こんな所で説明するまでもない文豪。大正の初期から文学家として活動を開始し、昭和2年に没しているわけだから、まさに大正を代表する作家だろう。

そんな文豪と偶然と出会った主人公の男――そう言えば名前も未だ判明していない――とあいんの関係について触れられていたのが、連載第3回「浅草異譚」の見どころだったかもしれない。
彼と彼女、2人の正体と関係とは? そして次回は2人が、どんな大正時代の人々とすれ違うのだろうか……。

「青空文庫」
※芥川龍之介作品はここからでも読めます。ご参考までに


第1回
まずは冒頭の挨拶など

new-2009.08.12更新


“『ですぺら』−小中千昭×安倍吉俊×中村隆太郎−

連載第2回目が掲載されるアニメージュ9月号。
その発売日にあわせて、ようやく編集部発『ですぺら』
ブログをスタートさせることができました。

これから、『ですぺら』はどんな人が作っていて、
どんな過程を毎月作られていっているのか、
あいんが出会う人々や大正時代の息吹など
お伝えできたらなと思っておりますです。
今後どうぞよろしくお願いします。


第0回
「ですぺら」とは!?

new-2009.08.11更新


安倍吉俊×小中千昭×中村隆太郎という『lain』の
メインクリエイターが集結し、新たな物語を紡ぐ。

『ですぺら』というタイトルは、大正時代のダダイスト
(既成の秩序や常識に対して否定や破壊、虚無を行う「ダダイズム」の心棒者)であり、
詩人でもあった辻潤の散文詩のタイトルからの引用。
Desperado=ならず者、という意味合いも含まれていそうだ。

『ですぺら』は辻潤が生きた大正時代、1922年=大正11年の日本
――大正デモクラシーなど民権運動などの動きが起こり、
現代にも通じる科学技術や思想が動き出した時期であり、
関東大震災が起き、軍部の思想的暴走が始まる時期でもある――
を舞台に、「あいん」と呼ばれる不思議な少女と、
彼女が作った「未来を覗く装置」、
そして大正に生きた様々な人々を描く


「ですぺら」とは?


安倍吉俊×小中千昭×中村隆太郎という『lain』のメインクリエイターが集結し、新たな物語を紡ぐ。

『ですぺら』というタイトルは、大正時代のダダイスト(既成の秩序や常識に対して否定や破壊、虚無を行う「ダダイズム」の心棒者)であり、詩人でもあった辻潤の散文詩のタイトルからの引用。
Desperado=ならず者、という意味合いも含まれていそうだ。

『ですぺら』は辻潤が生きた大正時代、1922年=大正11年の日本−−大正デモクラシーなど民権運動などの動きが起こり、現代にも通じる科学技術や思想が動き出した時期であり、関東大震災が起き、軍部の思想的暴走が始まる時期でもある−−を舞台に、「あいん」と呼ばれる不思議な少女と、彼女が作った「未来を覗く装置」、そして大正に生きた様々な人々を描く

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プロフィール

プロフ画像@安倍吉俊

安倍吉俊

安倍吉俊
あべよしとし●イラストレーター。
漫画集『回螺』、画集『核層宮』発売中。代表作:『serial experiments lain』、『NieA_7』、『灰羽連盟』、『TEXHNOLYZE』
◆サイト「AB'sHOMEPAGE」
◆ブログ「Ablog」

プロフ画像@小中千昭

小中千昭

小中千昭
こなかちあき●特殊脚本家。
代表作:『serial experiments lain』、『TEXHNOLYZE』、『神霊狩-GHOST HOUND』
◆サイト「Alice6 Chiaki J. Konaka's Web」

プロフ画像@中村隆太郎

中村隆太郎

中村隆太郎
なかむらりゅうたろう●アニメーション演出家。
代表作:『serial experiments lain』、『キノの旅』、『神霊狩-GHOST HOUND』

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